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相続時精算課税制度とは|2024年改正の基礎控除110万円を解説

相続時精算課税制度とは|2024年改正の基礎控除110万円を解説

相続税対策には

①生前贈与

②生命保険の活用

③養子により法定相続人を増やす

④非課税財産の活用

⑤賃貸用建物を建設する

⑥小規模宅地の適用を受ける

などが挙げられます。

以下では、生前贈与のうち、相続時精算課税による相続税対策について、ご説明いたします。

相続時精算課税による相続税対策

相続時精算課税制度について

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母や祖父母から、18歳以上の推定相続人である子や孫に対し、財産を贈与した場合に選択できる贈与税の制度です。

相続時精算課税制度を選択する場合には、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に、相続時精算課税選択届出書を提出(贈与財産が110万円を超える場合には、贈与税の申告書も提出)する必要があります。

相続時精算課税制度を利用する場合には、贈与者と受贈者を定めた届出をします。この届出により定めた贈与者と受贈者に限り、この制度が適用されます。したがって、例えば、父から長男への贈与には相続時精算課税制度を利用し、父から次男への贈与には利用しないことも可能です。また、父から長男への贈与には相続時精算課税制度を適用し、母から長男への贈与は暦年贈与にすることも可能です。

この相続時精算課税制度を選択すると、複数年にわたって贈与をしても、その贈与額(ただし、法改正により、令和6年1月1日以降の贈与については、年110万円の基礎控除が認められます)の合計金額が2,500万円に達するまでは、贈与税が課されません。2,500万円を超えた場合には、超えた部分に対して、一律20%の税率で贈与税が課されます。

その後、贈与者が死亡した場合、相続時精算課税制度を利用して贈与された財産は、相続財産に足し戻されます。つまり、相続時精算課税制度を利用して贈与された財産は、相続財産として相続税が課税されることになります。但し、既に納めた贈与税がある場合には、その分が相続税額から差し引かれます。

この相続時精算課税制度のメリットとデメリットは、次のとおりです。

  • メリット

①2,500万円までの贈与については贈与税がかからず、2,500万円を超えた分に対しても一律20%の贈与税しかかからないため、一度に多額の財産を贈与できる。

 →子や孫に対し早期に多額の財産を移転させても、贈与税の負担が抑えられます。

②収益物件の贈与は、相続税対策・納税資金対策になる可能性がある。

 →収益物件を被相続人が所有していた場合、その収益物件の収入は、通常であれば被相続人の相続財産となります。しかし、相続時精算課税制度を利用して、子や孫に生前に収益物件を移転しておけば、移転後の収益は相続財産とはなりませんので、その分相続税額が減額となります。また、収益物件を譲り受けた人は、収益を相続税の納税資金に充てることができますので、納税資金対策にもなります。

③将来値上がりする財産を贈与すれば、相続税対策になる。

 →相続時精算課税制度を利用して贈与された財産は、前述のとおり相続財産に足し戻され、相続税が課せられます。この相続財産への足し戻しは、その財産を贈与をした時点の価値で足し戻しされます。したがって、財産を価値が低い時に贈与をしておけば、仮にその後財産の価値が上昇したとしても、相続財産に足し戻す財産は低い価値で評価することになりますので、財産価値が上昇した分の相続税を節税することができます。

④110万円の基礎控除以下の贈与であれば、相続開始前7年以内でも持ち戻しされない。

 →前述のとおり、法改正により、相続時精算課税制度による贈与についても、暦年贈与と同様、年110万円の基礎控除が認められるようになりました。ただし、相続時精算課税制度による贈与と暦年贈与とでは、大きく異なる点があります。暦年贈与の場合、相続開始前7年以内の贈与については、金額の大小にかかわらず相続財産に足し戻して相続税が課税されます(前述)。これに対し、相続時精算課税制度による贈与の場合には、110万円の基礎控除以下の贈与であれば、このような相続財産の持ち戻しはありません。そのため、子に毎年110万円以下の贈与をするのであれば、相続時精算課税制度を利用する方が、相続税額を抑えることができます。

  • デメリット

①一度選択したら、暦年贈与(通常の贈与税制度)に戻れない

 →一度相続時精算課税制度を選択して届出をすると、その後撤回することができません。つまり、以後、通常の贈与税制度(暦年贈与)は選択できません。

②申告の手間が増える

 →相続時精算課税制度を選択する場合、受贈者は、その選択に係る最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に「相続時精算課税選択届出書」を提出しなければなりません。

※相続時精算課税の贈与も通常の贈与(暦年贈与)も、110万円の基礎控除以下の贈与であれば、贈与税の申告は不要です。

③不動産を贈与した際の登録免許税が、相続した際の登録免許税よりも高い。

 →不動産を贈与すると、所有権の移転登記が必要ですが、その際に支払う登録免許税の税率は、相続の場合と贈与の場合とで異なります。相続の場合は1000分の4ですが、贈与の場合は1000分の20ですので、贈与の方が多額です。

相続時精算課税制度の利用は、上記のメリットとデメリットを慎重に検討して、判断する必要があります。

 

暦年贈与との選択適用について

相続時精算課税制度は、暦年贈与課税制度と選択制になっている部分があり、どちらが有利かはご家庭の資産状況によって異なります。私たち広島の弁護士・税理士が、それぞれのご事情に応じた最適な生前贈与の方法をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

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※本文中の金額・要件は執筆時点の制度に基づいています。公開前に最新の制度内容をご確認ください。

 

小規模宅地の適用による相続税対策について説明しております。

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相続財産の範囲について説明しております。

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