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夫婦が離婚をした場合、相続問題に影響することがあります。
このページでは、次のことをご説明します。
なお、離婚問題はこちらをご覧ください(山本総合法律事務所のページにリンクします)。
夫(A)と妻(B)が離婚をして、子(C)の親権を妻(B)が取得したとします。その後、夫(A)が別の女性(D)と再婚し、子(E)が生まれたとします。
この場合、夫(A)が死亡すると、相続人は次の3名です。
前妻(B)は、相続発生前に離婚をしているため、相続人にはなりません。そのため、夫(A)の財産を相続することはできません。
但し、夫(A)が死亡する前に、夫(A)から前妻(B)に財産分与がされていなかった場合には、前妻(B)は夫(A)の相続人であるC・D・Eに対して、財産分与を請求することができると考えられています(大阪高等裁判所平成23年11月15日決定参照)。(財産分与について、詳しくは山本総合法律事務所のこちらのページをご覧ください)
離婚後に相続が発生した場合、次のようなトラブルが発生することがあります。
次の家族関係を想定して、ご説明します。
前妻の子と、後妻・後妻の子との間のトラブル
夫(A)と後妻(D)・子(E)が、長年にわたり、安定した家庭を築いていたとします。
この場合、後妻(D)と子(E)は、亡くなった夫(A)の財産を全て相続できると考えるかもしれません。
しかし、法律上は、前妻との間の子(C)も、相続人としての権利があります。後妻(D)と子(E)にとって、前妻の子(C)とはほとんど交流のないことが多いといえます。元々険悪な関係にあることも珍しくありません。
そのため、夫(A)の遺産をめぐり、後妻(D)・子(E)と、子(C)が、激しく対立することがあります。例えば、子(C)が、遺産を後妻(D)や子(E)が隠しているのではないかという疑いや、子(E)だけが父(A)の生前に財産を多くもらっていたのではないか(特別受益)という不満を持ち、調停や審判で対立が先鋭化することもあります。(特別受益についてはこちら)
こうした対立を回避する手段としては、遺言を作成する方法があります。相続人C・D・Eには遺留分という権利がありますので、遺留分を侵害しないように遺言を作成することもポイントとなります。
夫の父(F)がその遺産を息子(A)の前妻(B)にいかないようにしたい
夫(A)と妻(B)が離婚をした後、夫の父(F)が死亡した場合、父(F)の遺産を前妻(B)が取得することはないのでしょうか。
法律上は、関係者の死亡する順序によっては、離婚をしたにもかかわらず前妻(B)が元義父(F)の遺産を取得することは、あり得ます。
例えば、死亡する順序が「父(F)→前夫(A)」の場合、AがFの遺産を相続し、CがAの遺産の4分の1を相続します。そのため、Cは、間接的に、Fの遺産を相続します。
また、死亡する順序が「前夫(A)→父(F)」の場合、Cは、Fの遺産の2分の1を代襲相続します。(代襲相続についてはこちら)
どちらの場合も、Cは、Fの遺産の一部を取得することになります。
その後、Cが死亡した場合、Cに配偶者や子がいなければ、BがCの遺産を相続します。したがって、Fの遺産の一部を、Bが取得する可能性があるのです。
BがFの遺産を取得できないようにするためには、Fが生前に遺言を作成する必要があります。ただし、Cには遺留分という権利があるため、Fは、CがFの遺産の一部を取得するか金銭を請求するのを、完全に阻止することは、難しくなります(遺留分についてはこちら)。また、Fが、C死亡後のFの遺産の帰属についてコントロールすることは、通常の遺言を作成する方法ではできません。
この問題を解決する方法として、「信託」の設定があります。Fは、信託契約や遺言により信託を設定することで、Cが死亡しても、Bが相続によりFの遺産を取得するのを阻止することができます。
私たちは、信託の設定についても経験と実績がありますので、ご相談ください。
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